
第3回 百田 百合子さん(川本町・久座仁)
川本町・因原の“インフォメーションセンターかわもと”で活動している『川本手紡ぎ工房 ダ・カーポ』の代表である百田百合子さん。かつて保健師として町役場へ勤めており、退職後の人生を考えている時に羊毛の手紡ぎに出会った。

「この手紡ぎを始めるまで、編み物などはしたことがなかった。」
勤めていた頃は、そういった時間を持つことが出来なかったそうだ。
そして、手紡ぎををキッカケに猛勉強を始めた。
師である松江市在住のタペストリー作家・陶山千代さんの所へ通い、織りの勉強のため兵庫県へ通い、今でも月に一度は広島県へ通っている。羊毛の本場であるニュージーランドへも行った。
「知らないことを知ることが楽しい」
ダ・カーポ内では独自の研修制度を用いている。
誰かが何かの研修に行きたい時には、ダ・カーポから補助を出すことにしている。また、研修に関する情報は、手芸雑誌や毛糸などを卸している業者さんから得ている。
ダ・カーポには最近、若い世代も加入するようになった。
メンバーが工房に出る日は曜日によって振り分けられており、80代のおばあちゃん二人も週に1回必ず顔を見せる。
なんでも、お子さんたちが「あの会には行きんさいよ。」と声を掛けるそうだ。そのおかげか、おばあちゃんたちも元気いっぱいに活動に取り組んでいる。そして、自分で作った作品をお孫さんにプレゼントしているのだと言う。
「基本的な作業から先は、特に指示をしない。」
これが、ダ・カーポにおける百田さんの方針だ。
作品を作っていく事は自主学習であり、自分の作ったモノを見てもらうこと、他人が作ったモノを見ることで感じ考えて、それぞれの創造性を養って欲しいのだと言う。
百田さん自身も、マフラーやひざ掛けなど毛糸製品の定番だけでなく、男性モノのネクタイなど新しい分野へ挑戦をしており、更なる高みを目指している。

百田さんはダ・カーポで代表を務める他にも、町内の他団体にも所属し活動をしている。
“鮎せんべい”など、川本町の新しい名物を作ることを目的とした『ふるさと特産品をつくる会』や、生活排水やゴミの分別など環境問題に取り組む団体である。
環境問題に関しては“EM”という微生物を利用した、手づくりの洗剤や廃油石けんによる環境美化をうったえている。
EMに出会ったのは、たまたま観ていたテレビがきっかけ。「これは!」と思った百田さん、様々な関係各所にあたり、EMに取り組んでいるボランティア団体が来町し講演をしてもらえることになった。
講演を聞いた百田さんは、本格的にEMを利用した活動に取り組み始めた。
EMとは、有用微生物群(Effective Micro-organisms)の頭文字を取ったもの。あくまで微生物であり薬剤ではないため、皮膚に付いても口に入っても害はない。
また、“群”とあるように様々な微生物が集まっており、広く強い抗酸化作用を持っている。悪い物質を抑え、良い物質が活発に動ける状況を作り出すことが出来る。
前述の手づくり廃油石けんは、お客様から電話で感謝されるくらい好評を得ている。
また、使用していない時期のプールにEMを入れておくと、夏前に掃除をする時に汚れが驚くほどキレイに落ちる。
「もっと広く、皆がEMを使ってくれれば。」
羊毛の手つむぎ、特産品づくり、さらには環境問題への取り組みと、全ての活動を何年も続けている百田さん。
「楽しくなければ続かない。」
定年後、さらなる人生の楽しみを見つけた百田さんに、今後についても伺った。

「目標は、皆が健康で過ごせること。」
最近のニュースでは、産地や原材料の偽装表示、海外からの輸入食品に対する不安など食べる事に関して心配になるものばかりである。
確かに、手つむぎによる指先の運動や楽しみ・生きがいを感じることによって、元気に動けるのは素晴らしい。しかし、人間は食べて生きて行かなければならない。そんな、人間に必要なモノを信頼できなくなるのは実にやるせない。
そこで、百田さんに先ほどのEM菌を利用した一つの案を教えていただいた。
「生ゴミをEM菌を利用して肥料にする。その肥料を使って野菜をつくれば、安心できる野菜をつくることが出来る。野菜づくりは重労働だが、肥料づくりは高齢でも出来る。老人パワーで安心・元気を届けたい。」
環境問題から健康につなげ、それを自分達の取り組む活動によって実現させる。
思い立ったら行動し、自分の納得がいくまで追求する。
百田さんは、夢を実現するためにまだまだ走り続けるだろう。 |